足湯するのにツボの知識は全く不要ではありますが、こんなすごいツボがみーんな暖まっているのだなあ、と考えるのは楽しいし、そんなふうに考えていると感覚が研ぎ澄まされていくというおまけがついてきて、良いことなのです。
今回おさらいするツボは、ほんとに全部いいです。
たとえば腎経の1番、湧泉。万能選手です。これ使わないセッションってありえないくらい頻繁に使っています。湧泉の手当が不要な人なんて現代人にはいません。頭に登りがちな気を下方へ落ち着けると、気持ちが静まります。腎経が元気だと全身元気になります。気をつけていると違いがわかるようになってくるはずです。
足湯の容器を深めにしたいのは、脾経の6番、三陰交を暖めたいからです。婦人科系のトラブルによく効くというのは有名ですが、男性にもとてもよいのです。冷え、むくみ、腰痛のみなさんにもよく使っています。それに、これもじわっと元気でます。脾経の手当をすると、お腹にぐっと力が入ってくるのです。背すじが伸びます。先のことを考えてみたくなるかもしれません。
足の小陰 腎経1番、湧泉(ゆうせん) Kidney 1 (gushing spring, yong quan)
位置: 足の底の真ん中と思ってください。土踏まずの上部の真ん中。
効能効果: 元気が出ない、泌尿器系の問題、感情のつかえ、気絶した人の気付けに、月経の遅れなど。

足の小陰 腎経6番、照海(しょうかい) Kidney 6 (shining sea, zhao hai)
位置: 足首の内側のぐりぐりのでっぱりから一寸下のへこんだあたりです。
効能効果: 不眠、喉の腫れ、扁桃腺、ドライアイ、目の痛み、月経不順など婦人科系の問題、足首の痛み、腫れ。

足の厥陰 肝経3番、太衝(たいしょう) Liver 3 (great surge, tai chong)
位置: 足の親指と人差し指の間をなで上げてスペースがなくなって指が止まるところ。足の合谷と呼ばれる場所です。
効能効果: 元気をつける、アレルギー、陰気の不足、足がつる、不眠、心の悩み、肩コリ、疲れ目、頭痛。気が上へ向かって流れるのを促す。(二日酔いにも効くということなので自分の身体で人体実験をする機会を待っています。)

足の太陰 脾経、三陰交(さんいんこう) Spleen 6 (three yin crossing, san yin jiao)
位置: 足首の内側のぐりぐりのてっぺんから3寸。多くの人で押すとちょっと痛いです。
効能効果: 出産(妊娠中は決して使わないように!)、婦人科系の痛み、気鬱、血を養う。脾、腎、肝の働きを助ける。
足の太陽 膀胱経、崑崙(こんろん) Bladder 60 (Kun Lun mountain, Kun Lun)
位置: 足首の外側のぐりぐりとアキレス腱の間のくぼみ。
効能効果: 頭痛、首のコリ、目の充血、腰痛、座骨神経痛、アキレス腱の炎症、子宮関連の問題。

足の少陽 胆経、丘墟(きゅうきょ) Gall Bladder 40 (Mound of Ruins, qiu xu)
位置: 足首の外側のぐりぐりの前下側、へこんでいる場所。
効能効果: 足首をくじいた、足首の痛み、関節が弱い、筋肉がつる。胆嚢の問題、胸焼け、肩の不調、目の症状、気鬱、イライラ。

メモ&参考資料
- ツボの名前がこんなに色々あるなんて! 学校で最初にツボに番号がふってあるのを見たときには頭が混乱して泣きそうになりました。WHO式の国際標準経穴名は、慣れると位置と経絡内での前後関係が頭に入って悪くないのですが、日本人として親しんでいる漢字のツボの名前も意味が感じられて捨てがたい。というわけでゾロゾロ書いてみました。
- ツボの位置の画像は A Manual Of Acupunctureから拝借しました。大辞典的なサイズと内容のすごい本です。ビビらず買ってよかった一冊。アプリもあります。
- 効能効果は学校で使っていたMcKinnon Acupressure Manualの記述に私のメモを加えたものです。このマニュアル、初心者向けにあっさりコンパクトにできていて素晴らしいのですが、残念ながら学校の外では販売されていません。